活字を追うのに熱心なが、骸はおもしろくない。
「かまってくださいよ」
「後でね」
「新聞なんて、毎日読んでるじゃないですか」
「……毎日違うことが書いてあるのよ」
「ニュースならテレビを観ればいいでしょう」
「コラムや特集記事はテレビじゃ読めないもの」
「新聞の価値なんて、僕にはクロスワードくらいしかないのにな」
「クロスワードのページは後で抜いておいてあげるから」
「……そういう問題じゃないんですよ」
溜め息をひとつ、盛大につく。腕を伸ばすとの顎に指をかけ、くい、とこちらを向かせた。
「─────んっ」
「……キャンディを、あげますから」
甘い球体を彼女の舌に落として、唇を離すと、にこ、と笑う。
「もっと僕に、かまってください」