「ー、ちょっといいあるか」 「はい」 「明日、日本のとこへ行ってくるある」 「はい?」 今日の夕飯の献立を伝えるような軽さでさらりと、中国は言った。 「聞いてませんよ、そんな話!」 「今初めて言ったあるからな」 「急過ぎます! お仕事は、どうするおつもりなんですか!?」 「あーまあ、何とかなるあるよ」 驚いて大きな声を出したを宥めるように、まあまあ、と彼女を座らせる。 「大丈夫ある、も一緒に連れてくあるよ」 「ええ!?」 「喜ぶある、花見の宴を開いてくれるらしいあるよ」 楽しそうに語る中国に、眉を下げたは溜め息を隠せない。 「そんな……でも、お仕事がありますし、私も兄様も一度に家を空けるのはどうかと」 「一日くらい構わねえあるよ、今まで四千年、大丈夫だったあるからな」 「そういう問題では……」 「は、我と花見はいやあるか」 「えっ……」 の気乗りしない様子に、中国はしゅんと肩を落とす。それに、今度はが困惑した。 「いえ、あの、そういうわけではなく」 「いいのあるよ、無理はしなくても……いやというのを、強引に誘って悪かったある」 「あの、兄様……いやではないです、そりゃあ、私も兄様と花見、したいですけれど」 「じゃあ決まりあるな!」 とたんに中国は、ぱあっと笑顔になる。は、あ、やられた、と思った。 「明日の朝は早いあるよ、今日は夜更かししたらダメある」 「……わかりました、ご一緒します」 浮かれる中国に抵抗は無駄と悟ったは、はあ、と溜め息をつく。 だが、本当に楽しそうな中国を見ているうちに、たまにはそういうのもいいかな、と思い始めていた。 |